チャネリングの
エッセンス

私は28年前にプロフェッショナルなトランス・チャネルとしてのキャリアをスタートしました。それ以来、私は世界各地で何千人もの人々のために「エクトン」というパーソナリティをチャネリングしてきました。私の願いは、明確で実用的なガイダンスを提供することによって人々が自分の生活の質を高めるのをお手伝いすることです。これまでに受け取ったフィードバックから判断すると、どうやらそれはうまくいっているようです。そのことについては、私はエクトンのすばらしい応援に感謝しています。また、心を開いてメッセージを受け入れてくださるクライアントの皆さんにも心から感謝しています。

 チャネリングについてあまり知らない人のために、簡単に説明しましょう。チャネリングとは、「変性意識状態を使って、通常の目覚めた意識の状態ではすぐに利用することのできない情報やスキルにアクセスすること」です。つまり、チャネラーはリラックスして自分の思考と知覚を調整し、大量のスキルと情報が自分の意識に流れ込んでくるようにする能力を身につけているということです。

私が行っているのは、トランス・チャネリングと呼ばれるタイプのチャネリングです。トランス・チャネリングとは、瞑想者でありヒプノセラピストでもある自分のスキルを使って、夢を見ているときのような深い意識の中へ心の旅をすることです。この眠くなるような意識の状態になるとすぐ、私はエクトンのエネルギーを自分の身体に招き入れます。エクトンが身体の中に入ると、私の実体というかパーソナリティが身体から分離し、基本的には眠りにつきます。そのあとエクトンは、自由に私の身体を使ってクライアントに情報やアドバイスを提供するのです。

チャネリングには、いろいろなタイプがあります。意識を保ったまま、自分がクライアントに話すことを聞いて覚えているチャネラーもいます。完全に無意識の状態になって、チャネリング・セッションの内容をまったく覚えていないチャネラーもいます。私はその中間のセミ・コンシャス・チャネルです。私は、トランス状態になっているときに自分の身体が発する声を聞くことができます。でも、その声が言っている内容をいつも理解できるわけではありません。トランス状態から戻ったときには、エクトンが言ったことを覚えていないのが普通です。でも時どきですが、エクトンがもたらす情報が特に興味深いものであったり、挑戦的な内容だったり、何らかのかたちで私に関係があったりする場合には、覚えていることもあります。

一部のチャネラーの場合は、私のようにエネルギーやパーソナリティを自分の身体に招き入れるのではなく、普通の人が電話で誰かとつながるのと同じ方法でエネルギーと接続して、自分が「聞いている」情報をクライアントに取りつぎます。また、「自動書記」と呼ばれる方法をとる人もいます。ペンと紙、あるいはワープロを前にして腰を下ろし、言葉やアイディア概念などをチャネルします。特定の存在やパーソナリティではなく「宇宙意識」をチャネルする人もいますし、自分の「ハイアーセルフ」だと自分が感じる存在をチャネルする人もいます。そして一部のチャネラーは、情報をまったくチャネルせず、クライアントのスピリチュアルな性質や愛すべき性質を刺激して引き出すようデザインされた音楽やアートをチャネルします。

実は、読者のみなさんも自分自身がチャネラーとなった状態をすでに体験しているのです。親しい友人や家族が、自分の生き方についてあなたにガイダンスや意見を求めたときのことを思い出してみてください。その人にあなたの考えを話しはじめると、話す言葉が口からどんどんあふれ出てきて、自分がそれまでとはちょっと違う感じになったことはないでしょうか。そんなときには、次に自分が何を言うのかわからず、自分でも実際に考えていなかったことを言ってしまったりします。一つひとつの言葉がスムーズにあなたの口から流れ出てきて、まるでその瞬間だけがリアルな、今ここにある瞬間であるかのようです。あなたはそれらの言葉を口にするを心地よく感じます。自分は筋道の通ったことを言っていて、相手の助けになっているのだという直観があります。後になって、友人から「いいアドバイスをありがとう」と言われるかもしれません。あなたは感謝の気持ちを受け入れるけれど、適切だったという感覚以外に、自分が何を言ったのかはっきり覚えていない。そんなことはありませんか。

私にとっては、これはチャネリングの1つのかたちです。これは、毎日の自分の生活のなかではふだん使わない知識の広がりに対して自分自身を開放することです。これと同じことを、プロのチャネラーはすべてのクライアントに対していつも行っています。チャネリングを行うアーティストの場合は、イメージやアイデアや音楽で同じことを行っています。チャネリング体験は、ほとんどの人が考えているよりもはるかに日常的な体験です。私は、チャネリングのやりかたを人に教えることがあります。チャネリングの訓練でのもっとも大切な要素の1つは、どんなかたちでのチャネリングが自分に向いているか判断できるように、生徒の皆さんを手助けすることです。誰もがみんな自分のスタイルを持っていますから、チャネリングのやりかたを学ぶときには自分のスタイルを発見することがとても重要です。

読者の皆さんのなかには、プロのチャネラーになれば自分の人生の問題を解決するのに役立つかもしれないと思う人がいるかもしれません。これに対してもちろん、私はひとりのチャネラーとして、「はい、とても役に立ちます」おこたえします。クライアントのなかには、自分が抱える問題の解決策にたどりつくための「普通の」道(従来のセラピー、医師が処方する薬、あるいはアルコール等を飲むことなど)のすべてに疲れ果てて、私のところへきたという人が時どきいます。また、ヒーリングに至る道のりで最初に足を止める場所が私だったという人もいます。そうしたクライアントは、信頼できる友人や家族からチャネリング・セッションが自己発見の早道だと聞いて私を訪れてきます。

しかし、チャネリングがすべての人にとって自己発見の早道だというわけではありません。何が必要なのかは人によって違います。ですからすべてのチャネラーが役に立つかたちであなたのエネルギーと「ブレンド」できるとはかぎりません。一般的に、チャネラーの経験が長ければ長いほど、そのメッセージはより明確で役立つものになる傾向があります。チャネラーには、自分の考えや価値観が、明確な情報のチャネリングに対して影響しないようにするという困難な仕事が伴います。それがきちんとできるようになるまでには、何年もかかることがあります。

どのようにしてチャネラーを選べばよいかという質問に対して、いくつかアドバイスがあります。1つ、誰か信頼している人から個人的に感想を聞くことです。もしそういう人たちが自分の受けたチャネリングに満足しているなら、あなたもチャネリングを楽しんでそこから何かためになることを得られるでしょう。2つ、チャネラーについて自分で少し調べてみることです。チャネラーの書いた本や雑誌記事を読んだり、ホームページに目を通すとよいでしょう。「いくつか質問があるのですが」とチャネラーに質問してもまったく差し支えありません。そのチャネラーは、現実的な日常の問題に特に焦点を合わせるのか?それとも、もっとスピリチュアルな、あるいはもっと奥深いテーマが得意なのか?そのチャネラーのチャネリングは、科学的な方向に向かうのか、スピリチュアルな方向に向かうのか、それともその両方なのか?セッションで出す予定の質問の例を示して、それに対してチャネラーがどのように応対してくれるのか見てみるのもよいですね。自分の直観を信頼してください。チャネラーとのコミュニケーションがここちよく感じられたり、チャネラーについて集めた情報が適切で筋道が通っていると思う場合には、その人があなたにとって適切なチャネラーかもしれません。

クライアントになるかもしれない人から私のチャネリングについて質問を受けた時には、私はこう答えます。エクトンは、いつも「無条件の愛」「無限の創造性」「絶対的な自己責任」というコンセプトにフォーカスします。エクトンは、地球上での生活の「運命と憂鬱」といったシナリオにフォーカスするのではなく、一人ひとりが自分の生まれ持つ愛すべき性質と奥深い創造性に気づくことができるようにします。そして、一人ひとりが人間関係、職業、人生の目的、スピリチュアルな成長、健康などの日常の問題に取り組むのを手伝います。エクトンはクライアントに備わっている神のような尊厳を尊重し、支持します。そのうえで、各自が自分で選択をする優れた能力を持っているということをクライアントに伝えるのです。

チャネリング・セッションの日がきたら、あなたはすこし神経質になるかもしれませんね。それが普通です。あなたは自分の人生が変わるかもしれない場所へこれから乗り込もうとしているのですから。そんなときには誰でも神経質になるものです。でもたいていのチャネラーは、クライアントがリラックスして自分が歓迎されていると感じられる雰囲気を作るのが上手です。ほとんどのチャネラーはあなたから信頼されていることに心から感謝し、あなたの生活の質を向上させるお手伝いをしたいと考えています。個人的には、私は実際のチャネリングがはじまる前にクライアントと一緒にお茶かコーヒーを飲んですこしのあいだリラックスする時を持つのが好きです。自分が神経質になっていることをチャネラーに話してもいいのです。あなたの気持ちをすこし落ち着けるために、何かアドバイスしてくれることもあるでしょう。

実際のチャネリングがはじまったら、チャネラーの言葉とそれに対して自分が感じるものに意識を合わせておくことが大切です。そしてどうか忘れないでください、あなたが心を開いて柔軟であればあるほど、チャネラーはあなたを「リーディング」しやすくなります。セッションでは、あらかじめ用意してきた質問リストに沿って質問してもよいですし、その場で思いついた質問をしてもかまいません。もしチャネラーや「存在」の言うことが理解できないときには、はっきりとした説明を求めればよいのです。チャネラーによってそれぞれ得意な分野は違いますから、チャネリング中に出てくるさまざまな話にチャネラーがすべて対応することはできません。大切なことは、チャネリングを通して得た情報があなたにとって筋道の通った「適切な」ものだ感じられるかどうかです。

チャネリング・セッションは、クライアントにとってはかならずしもラクな体験ではないでしょう。古い価値観のシステム、パターン、習慣などに直面する場合、時にはクライアントが落ち込んだ気分になって感情的な反応をすることがあります。しかしこの落ち込みは、ヒーリングのプロセスの一部なのです。というのは、慣れ親しんだ「古いもの」を取り除いてなじみのない「新しいもの」を招き入れようという試みがはじまったからです。十分な訓練と経験を積んだチャネラーであれば、あなたの感情的な反応にどう働きかければあなたが自分の目標を達成するのを手助けできるか知っています。自分の目標がわからない場合は、チャネラーが目標探しを援助できるはずですし、あなたがその目標に向かって進むのを手伝ってくれるはずです。

チャネリング・セッションが終わったら、あとはあなたの責任です。外の世界へ出て、自分自身について学んだことを応用するかどうかはあなたしだいです。自分が受けたセッションの録音テープを聞いてください。自分で耳にしたアドバイスを実行してみましょう。チャネラーのところへ戻ってもっと情報を知りたいという衝動には抑制することです。忘れないでください、あなたは能力のあるすばらしく素敵な愛に満ちた存在です。そしてチャネリングは、神のような人類の一員としてあなたが進化し発展していく過程にある数多くの道しるべの1つだということを、覚えていてください。(日本語翻訳監修 チャンパック)

愛をこめて、

リチャード・ラビン

ハワイ、ホノルルにて